
- 独自の決断できないハマス
パレスチナ自治政府のアッバス議長は、議長と自治評議会の選挙法を改正する議長令の施行を公表した。
新選挙法は立候補の条件として、アッバス議長の率いるファタハが独占するパレスチナ解放機構(PLO)を全パレスチナ人の「唯一で正当なる代表」と認めることを挙げている。評議会の選挙に関しては、小選挙区制が廃止され、比例代表制のみが残された。評議会選挙で、小選挙区ではファタハがハマスに大差をつけられて敗北し、比例代表制ではハマスとの差が小さかった。新選挙法は事実上、ガザを武力制圧した過激派のハマスをパレスチナの選挙から排除するものと受け取られている。
総人口の60%近くをパレスチナ人が占めるヨルダンのアブドラ国王は、パレスチナ問題の解決とイスラエルとの和平折衝の活性化のため、フランスを訪問した。現地で記者会見した同国王は、「11月の米国での中東和平国際会議は、昨年に開かれるべきだった」と主張した。イタリア有力紙「ラ・スタンパ」は、同国王の発言を、大きなスペースを割いて報道している。米国で大統領選が近づくにつれて「国民の関心が内政問題に集中」してしまうが、「イスラエルとその和平折衝について語る時、米国の影響力を抜きには語れない」からだ。
同国王は、新大統領の選出後に「米国が中東和平に貢献できるようになるまでには2、3年はかかる」という憂慮から「11月の国際会議が最後の機会」と見ている。会議に、政党ではなく国際機関や政府の代表者が招待されることを重要視し、「ハマスとファタハが彼らの間の問題を解決」した上で会議が開催されることを望んだが、「そうはならなかった」と遺憾を表した。「ハマスが完全に独自で決断を下せるのか?」と問う同国王は、「外部(イランやシリア)からの命令によって動くハマス」と主張している。
イスラエルに対しては、「(紛争が)パレスチナ人との問題に限定され、国家という城に閉じこもっていればよいという、ここ30、40年間の状況は過ぎ去り」「中東では他の諸紛争が勃発」し「他の諸国が胎動している」と警告する。「イランがヒズボラを通してレバノンに、ハマスを通してパレスチナ自治区に影響力を行使」している事実をその例として挙げる。「レバノン、シリア、イラクやイラン」の胎動という新状況の中で、イスラエルは新しい決断を迫られている。過去のように中東で孤立して生きるか、それとも「モロッコ、大西洋、オマーンからインド洋にまたがる地域での調和を求めて生きるか」という決断だ。
パレスチナとヨルダンとの連邦国家創設プロジェクトについて聞かれた同国王は、「パレスチナの建国が先決問題だ」と答えた。
『佼成新聞』2007年9月23日付佼成出版社)