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日蓮『可延定業御書』


 大宇宙の中の第一の王子さまと尊敬されても、命が短ければ草よりもはかないものである、という意味である。これに続いて日蓮は、
「日輪のごとくなる智者なれども、夭死あれば生ける犬に劣る」
 ―太陽のように光明をもたらす智者であっても、若死しては犬よりも劣る―と長幼を問わず命の尊さを説く。
 この言葉は、病気になっていた富木尼に宛てた手紙の一節で、命の尊さを説き示したものである。日蓮は命の大切さをくり返し説いているが、それは生きることが人間にとって至上の命題であると考えたからである。仏からいただいた命を生のある限り生ききること、それが仏に報恩することである。

『ダーナ』31(佼成出版社